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shinmiyata12

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登録日: 2025年8月9日

記事 (15)

2025年12月26日2
ルーカスの冬の冒険/エピローグ -祈りの余香-
あの冬が終わってから、 町はまた、静かに季節を受け入れるようになった。 春。 雪解け水が川を満たし、冷たい石に触れながら流れていく。 朝の空気には、まだ冬の名残があり、 湿った土と、どこか懐かしい教会の香りが混じっていた。 人々は言う。 「いつも通りの春だ」と。 けれど本当は、 “元に戻った”のではない。 あの冬を、胸の奥にしまったまま、生きているだけだった。 あの少年は、やがて青年になった。 背は伸び、声も変わり、 彼の名前を呼ぶ声も、少しずつ別の調子になっていった。 奇跡の話をする人は減り、 町の鐘の音も、日常の一部へと溶けていく。 それでも冬になると、 青年は無意識のうちに足を止めていた。 凍りかけた川のほとり。 あの光が昇っていった空を、もう一度なぞるように見上げる。 耳を澄ますと、 遠くから、歌とも祈りともつかない旋律が聞こえた気がした。 それは確かに音だったのに、 同時に、胸の内側で鳴っているだけのようでもあった。 奇跡は、もう起こらない。 天使の声が響くことも、 町が一斉に息を呑むこともない。 けれど青年は知っていた。 あの旋律が、完全に消えることはないと。...

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2025年12月21日2
Valentine Concert – 初ファンミーティング –
この夜を、ちゃんと迎えるために。 予約受付を開始してから、本当にたくさんのお申し込みをいただいています。ありがとうございます。 正直に言うと、ここまで早いペースで反応をいただけるとは思っていませんでした。 少しずつ残り席も少なくなってきて、今お申し込みいただいている方の顔が、少しずつはっきり思い浮かぶようになってきています。 今回の公演は、 いわゆる「いつものコンサート」とは少し違います。 この公演について 人数は限定40席。 フレンチディナー付きの、バレンタインの夜にゆっくりと音楽と時間を共有する会です。 この規模だからこそ、 演奏も、空気も、会話も、 すべてにちゃんと意味が生まれると思っています。 この夜は、 「気づいたら満席になっていた」 そんな公演になる予感がしています。 会場について 会場は「日立目白クラブ」。 1928年に建てられた旧学習院男子寮で、 スパニッシュ様式の外観と アールデコ様式の内装を併せ持つ、 とても特別な建物です。 実は、 僕自身まだこの場所を訪れたことはありません。 それでも、 「この空間で音楽を聴いてもらえるなら」 そう思える場所でした。...

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2025年11月30日3
【クリスマス特別企画】ルーカスの冬の冒険ープロローグー【アドベントカレンダー】
明日から始まるYouTubeのアドベントカレンダー企画の「ルーカスの冬の冒険」を10倍楽しむための物語のプロローグを作りました。 ※ここからはプロローグです。 ――永い冬に閉ざされた町と、ひとりの少年のはじまりの物語 この物語が始まるずっと前。ルーカスの住む小さな雪の町〈ヴァイスベルク〉には、長いあいだ“春”という季節が訪れていなかった。 いつからか、雪は溶けることを忘れてしまい、木々は芽吹かず、人々はその変化を受け入れるように暮らしてきた。 町の中央に立つ古い教会には、代々語り継がれてきた言い伝えがある。 「純粋な心を持つ者が“クリスマスの奇跡”を見つければ、 永い冬は終わり、新たな季節が戻ってくる」 しかし百年以上ものあいだ、その奇跡を見つけた者はいなかった。人々は次第にそれをただの“昔話”だと思うようになり、子どもたちも大人たちも、いつしか奇跡の存在を口にしなくなっていった。 そんな町に、ひとりの少年がいた。ルーカス——生まれたときから雪景色しか見たことがない少年。けれど彼の心には、雪とは正反対の温かい光が灯っていた。 彼は誰よりも他人に優しく、困っている人を見れば自然と手...

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